セクハラ・マタハラの話

(あんまり会計と関係ありませんが)毎年やっている、セクハラ・マタハラについての研修。
 
「産休をとる女性Aに『普通子ども産むなら辞めるでしょ、復帰できるの?』と上司Bが言いました。さて、Bはどうすればよかったのでしょうか?」という具体例が挙げられていました。
 
 
中小零細・オーナーワンマンの会社ならそんな講義でもいいかもしれません。
 
しかし監査法人、それも大手となればそこそこ大きな会社です。そこでは何千人という人が働いています。そんなことを面と向かって言うキチガイは多分いないし、いても公開処刑にできます。
 
問題はもっと微妙なところでしょう。我々は実務家だと偉ぶっているわりには、実際的な想像力に乏しいのが会計士の悪いところです。例えばこんな状況なら十分にありそうです。
 
「産休をとる女性Aに『うん、お大事にね。残りの仕事は任せて』と上司Bが言いました。しかしBは部下でありAの同期でもあるCと飲みに行った日に、『普通子ども産むなら辞めるでしょ、(Aは)復帰できるの?』と言いました。Cは内心うーんと思いながらも、上司なのでそうですねーと一応同意しました。そんな調子でなんとなく会社内には産休をとるなら辞めろという雰囲気が漂っています。さて、Bはどうすればよかったのでしょうか?」
 
あるいは、
 
「産休をとる女性Aに『普通子ども産むなら辞めるでしょ、復帰できるの?』とクライアントの経理部長Dが言いました。上司BはAの産休に肯定的なのですが、クライアントには逆らえないのでAを担当から外しました。クライアントの手前、Aの後任となる人物は男性を選定するつもりです。さて、Bはどうすればよかったのでしょうか?」
 
とかね。
 
ここで、クライアントを説得できるか、どうしても説得できないならそんなクライアントを切れるか。ここまで真剣に問わないと、いつまで経っても状況は変わらないでしょうね。
 
どの監査法人も「女性の活躍」を謳っています。だったら、監査法人同士で結託して、そういう会社とは監査契約しませんとすれば、けっこう効果あると思いますけど。「わたしは反社会勢力ではありません」の誓約書みたいにさ。上場している以上、監査法人のおスミ付きが必要ですから、本当に結託されたら上場会社は断れないと思いますよ。(と思っていたら意見不表明で突っ走る東芝が出てきましたがw)
 
建前ではセクハラは絶対だめと言っているくせに、しかも監査人というせっかく強い立場にいて、クライアントを前にすると平気でひっくり返す。クライアントのお偉いさんに同調して「ごもっともですよぉ、やっぱ女性は家庭に入らなきゃねぇw」なんて笑ってるパートナー、いっぱいいますよね、きっと。会社はコミューンではないのですから、クライアントという存在が絶対にあるわけです。これではポリシーもプライドもあったものではありません。
 
それならいっそ、twitterネトウヨみたいに、思いっきり本音ぶちまけて差別する方がいさぎよいんじゃないですか?